反訴状

            〒一六〇ー〇〇二二 東京都新宿区新宿三丁目九番五号

             反訴原告(被告)   株式会社噂の真相
             右代表者代表取締役  岡 留 安 則

  〒一五七ー〇〇六二 東京都世田谷区*********

             反訴原告(被告)   岡 留 安 則
    〔送達場所〕
  〒一六〇ー〇〇〇八 東京都新宿区三栄町八番地 *****

            四谷総合法律事務所(電話**ー****ー****)
                     (FAX  ****ー****)
             右両名訴訟代理人
                           弁護士 芳永克彦
                           同   内田雅敏
                           同   内藤 隆
    〒一五八ー〇〇九五 東京都世田谷区瀬田**********

               反訴被告(原告)   森喜朗


   損害賠償等反訴請求事件

    訴訟物の価額  金一〇一二万円

     (広告掲載料金は、金一二万円である)

    貼用印紙額   金五万八六〇〇円


    本訴の表示   事件番号  平成一二年(ワ)第九七九四号

                       係属部   民事第四五部合議B係

     次回期日  二〇〇〇(平成一二)年一一月一四日午後一時一五分


   反訴状請求の趣旨

 一、反訴被告(原告)は反訴原告(被告)らに対し、それぞれ金五〇〇
   万円と、これに対する本訴状送達の翌日から支払済みまで年五分の
   割合による金員を支払え。

 二、反訴被告(原告)は、月刊『噂の真相』誌に、左記文面の謝罪広告
   を、一面大の大きさで、活字は一八ポイントとし、標題・名義人・
   宛先についてはゴチック体、本文は明朝体を用いて、一回掲載せよ。    

-----------------------------お詫び--------------------------

  私は、買春行為により検挙された前歴があるにもかかわらず、
  これを偽り、右事実を報じた『噂の真相』二〇〇〇年六月号
  の記事について、「事実無根の虚偽の捏造記事」、「本件の
  悪意による暴言や虚偽の事実の羅列は真実らしさのカケラも
  ない」等と公然指摘し、これによりその出版社である貴社な
  らびに編集発行人である貴殿の名誉・信用を著しく毀損しま
  した。ここに深く反省し、両者に対し深くお詫びします。


    年 月 日
               内閣総理太臣  森  喜 朗


 株式会社噂の真相

 右代表者代表取締役    岡 留 安 則 殿
 『噂の真相』編集発行人  岡 留 安 則 殿
---------------------------------------------------------------------------


   三、訴訟費用は反訴被告(原告)の負担とする。
     との判決並びに仮執行の宣言を求める。

    反訴請求の原因


 第一、当事者

 一、反訴原告(本訴被告)株式会社噂の真相(以下、「反訴
   原告会社」という)は、一九七九(昭和五四)年以来、
   一般メディアが報じない社会事象の真相を報道する情報
   月刊誌として『噂の真相』を発行している出版社である。
   『噂の真相』は、二〇〇〇年一一月号まで通巻二六四号
   が発売されている。

 二、反訴原告(本訴被告)岡留安則(以下、「反訴原告岡留」
   という)は、原告会社の設立以来その代表取締役の地位に
   あり、かつ、創刊以来『噂の真相』の編集発行人である。
   そのことにより、「『噂の真相』と言えば岡留安則」と言
   われるように、反訴原告岡留は同誌の人格的表現となって
   いる。

 三、反訴被告(本誌原告。以下、カッコ内は省略する)は自由
   民主党所属衆議院議員であり、同党三役を歴任したほか、
   文部大臣、通産大臣、建設大臣を経験し、二〇〇〇年四月
   五日から総理太臣の地位にある。

 第二、本件記事

   反訴原告らは、『噂の真相』二〇〇〇年六月号を発行し、
   同年五月一〇日から全国の書店で発売したが、その中には
   反訴被告について、次のような記載がある(以下、これを
   「本件記事」という)。

 1「“ノミの心臓”を震撼させる森喜期のスキャンダル/コネ
   入学の早大時代に売春取締条例で検挙歴が!」という見出
   しのグラビア記事(七頁)「早稲田大学在学中、森はとん
   でもないスキャンダルを引き起こしていたにもかかわらず、
   首相となった今日まで、身内にもひた隠しにし続けている
   のだ。そのスキャンダルとはスバリ、今や日本の権力のト
   ップまで昇りつめた男が約40年前、なんと売春取締条例
   (売春防止法の前身)違反で、警視庁に検挙されていたと
   いうのである。」(同頁二段目)「その年(引用者注 
   昭和33年)の2月17日から18日にかけて、新宿や浅草な
   どの青線、白線業者を一斉摘発し、業者や女、客ら20人近
   くを検挙したんだが、その中に、当時まだ早稲田の学生だ
   った森、そう、今の総理大臣がいたんだよ。」(同頁三段
   目)「つまりは今でいう売春防止法違反の犯歴を持つ“ハ
   ンザイシャ”が、この国の最高権力者の椅子に座っている
   ということなのだ。」(同)

 2「『サメの脳ミソ』と『ノミの心臓』を持つ森喜朗“総理失格”
   の人間性の証明」と題する特集記事(二四頁ないし三一頁)
  「永田町で『オットセイの下半身』と呼ばれるこの新首相は、
   息子と似たような過去を持っていたからである。
   本誌は今回、森の経歴からは完全に抹消されたその驚くべき
   スキャンダルを掴んだ。
   そのスキャンダルとはスバリ、今や日本の総理大臣にまで昇り
   つめた男が過去、なんと売春等取締条例(売春防止法の前身)
   違反で警視庁に検挙されていたというものである。」
   (二七頁一段目〜二段目)
  「その年(昭和33年)の2月17日から18日にかけて、新宿や
   浅草などの青線、白線業者を売春等取締条例違反などで一斉
   摘発し、業者や女、客ら20人近くを検挙したんだが、その客
   の中に、当時まだ早稲田の学生だった森、そう、今の総理大臣
   かいたんだよ。」(同頁二段目〜三段目)
  「つまりは今でいう売春防止法違反の犯歴を持つハレンチ事件の
   主が、この国の総理の椅子に座っているというワケだ。」
   (二八頁一段目)

 第三、反訴被告による名誉・信用毀損

    反訴被告は、二〇〇〇年五月一七日、本件記事について、
    反訴原告らが「事実無根の虚偽の控造記事を編集・掲
    載・発行頒布し、公然と原告(=反訴被告)の名誉を毀
    損した」、「本件の悪意による暴言や虚偽の事実の羅列
    は真実らしさのカケラもないもので、総理太臣たる原告
    を異常に名誉の毀損をするものである」とし、その結果
    「日本の国民のほとんどが、原告に、前記の虚偽の前歴
    等がある旨の誤った認識を持つに至り、原告の名誉は徴
    底的に毀損された」として、反訴原告らを被告として
    「内閣総理大臣森喜朗」宛の謝罪広告掲載および一〇〇
    〇万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁乳所に提起
    し(同庁平成一二年(ワ)第九七九四号)、同年六月二
    〇日の第一回口頭弁論期日において代理人をして右訴状
    を陳述させ、公然適示するとともに、前記提起日におい
    て、反訴被告代理人をして東京地方裁判所構内において
    記者会見を開催させ、その中で右同旨の発表をさせると
    ともに、マスコミにこれを一斉に報道させた。


  第四、反訴原告らの損害

  一、反訴被告は、「国権の最高機関」(憲法四一条)を
  構成する「全国民を代表する」(同四三条一項)選良で
  あるばかりか、「法律を誠実に執行」(同七三条一号)
  すべき内閣の「首長」(同六六条一項)である。

  二、反訴被告は、右訴状にもそのことを指摘し、「内閣
  総理大臣森喜朗」宛の謝罪広告掲載を求めていることに
  も示されているように、そのような重大な責任ある立場
  の者として前項の名誉・信用毀損行為を行ったことによ
  り、それが極めて高い信頼性のあるものとして社会に認
  識されるに至った。言うまでもなく、これは反訴被告の
  意図した結果である。

  三、そのため、反訴原告会社は『噂の真相』の出版社と
  して、反訴原告岡留は同誌の編集発行人として、「事実
  無根の虚偽の建造記事を編集・掲載・発行頒布」する者
  であり、同誌に「真実らしさのカケラもない」「暴言や
  虚偽の事実の羅列」をしており、総理大臣について「日
  本の国民のほとんど」に「虚偽の前歴等がある旨の謀誤っ
  た認識を特」たせ、「異常に名誉の毀損をするものであ
  る」として反訴被告に対して損害賠償責任および謝罪広
  告掲載の法的責任があるとの謝った社会的認識を、広く
  「日本の国民のほとんど」に持たれることとなり、反訴
  原告らの名誉・信用は著しく毀損された。

  四、前記第三記載の反訴被告による名誉・信用毀損行為
  により、反訴原告らが被った損害は、金銭に評価してそ
  れぞれ金五〇〇万円を下らない。また、その損害を回復
  するには、少なくとも『噂の真相』に請求の趣旨記載の
  謝罪広告を掲載することが必要である。なお、謝罪広告
  における反訴被告の肩書は、その時点の地位に従う。

  第五、反訴の要件

  反訴被告から反訴原告らへの前記謝罪広告等請求事件
  (東京地方裁判所平成一二年(ワ)第九七九四号)は、
  本件記事が反訴被告の名誉を毀損すると主張するもので
  あり、本件反訴請求は右訴提起を不法行為として主張す
  るものであって、「本訴の目的である講求又は防禦の方
  法と関連する請求を目的とする場合」(民事訴訟法一四
  六条)に該当することは明らかである。右謝罪広告等請
  求事件は、東京地方裁判所民事第四五部合議B係に係属
  中であり、未だ口頭弁論の終結に至っていない。


  第六、結論


よって反訴原告らは反訴被告に対し、損害賠償としてそ
れぞれ金五〇〇万円およびこれに対する不法行為の後で
ある本誌状送達の翌日から支払済みまで民法所定の年五
分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、民
法七二三条により反訴請求の趣旨記載の謝罪広告の掲載
を求める。


  証拠方法


     追って口頭弁論期日に提出する。


  附属書類


     一、資格証明      一通
     二、訴訟委任状     二通

                     二〇〇〇年一一月一〇日



           右反訴原告ら代理人

                 弁護士 芳 氷 克 彦
                 同   内 由 雅 敏
                 同   内 藤   隆


     東京地万裁判所 御中