訴         状

158ー0095 東京都世田谷区瀬田四丁目九番一六号

原   告 森   喜  朗

〔送達場所)
105ー0001 東京都港区虎ノ門一丁目一番一八号
      ニュー虎ノ門ピル九階山本栄則法律事務所
    電 話(三五九一)六〇六六
     FAX(三五〇一)一〇二五
    東京弁譲士会所属
       原告訴訟代理人弁護士   山  本  栄 則
    同     辻   千   晶
      同     浅   倉  隆  顕

160ー0022 東京都新宿区新宿三丁目九番五号
         被      告  株式会社噂の真相
         右代表者代表取締役 岡留安則 
157ー0062 東京都世田谷区●●●●●●●●
         被告 岡留安則

謝罪広告等請求事件
訴訟物の価額 三四、一八九、三〇〇円
貼用印紙額  一五四、六〇〇円

*訴訟物の価額の説明
一 請求の趣旨一
  謝罪広告が訴訟物の場合、広告掲載科が訴訟物の価額となる。
  各新聞社の広告掲載料は、一段一cm当たり、読売新聞が一七九、三〇〇円、朝日新
  が一七六、〇〇〇円、毎日新聞が一一九、〇〇〇円である。
   したがって、三段抜き横一七cmの謝罪広告を掲載するには、読売新聞が(一七九、三
  〇〇円X三段X一七cm =)九、一四四、三〇〇円、朝日新聞が(一七六、〇〇〇円×三段
  ×一七cm=)八、九七六、〇〇〇円、毎日新聞が(一一九、〇〇〇円×三段×一七cm=)六、
 〇六九、〇〇〇円かかり、合計で(九、一四四、三〇〇円+八、九七六、〇〇〇円+六、
  〇六九、〇〇〇円=)二四、一八九、三〇〇円かかる。

二 結論                        
 なお、請求の趣旨一の謝罪広告と、請求の趣旨二の不法行為に基づく損害賠償請求は、
合算方式とされているので、結局、訴訟物の価額は、(二四、一八九、三〇〇円+一〇
〇〇万円=)三四、一八九、三〇〇円である。

      請求の趣旨

一 被告らは、各自、別紙一記載のとおりの謝罪広告を、別紙二記載のとおりの方法で掲
 載せよ
二 被告らは、連帯して、原告に対し、金一〇〇〇万円及びこれに対する平成一二年五月
 一〇日から支払済みまで年六%の割合による金員を附加支払え
三 訴訟費用は被告らの負担とする
 との判決並びに仮執行の宣言を求める。

  請求の原因

第一 当事者
  原告は、昭和四四年以来衆議院議員に連続して一〇回当選し、歴代内閣において、
 文部大臣、通産大臣、建設大臣を歴任し、また、自民党内においても、政調会長、幹
 事長、総務会長を歴任し、本件月刊雑誌「噂の真相」が発売された平成一二年五月一
 〇日の直前である平成一二年四月五日、内閣総理大臣に任命された者である。  
  被告株式会社噂の真相(以下「被告噂の真相」という。)は、肩書地に本店を置き、
 主として、月刊雑誌「噂の真相」の企画・編集・発行を目的とする資本金一〇〇〇万
 円の株式会社である。

 被告岡留安則(以下「被告岡留」という。)は、月刊雑誌「噂の真相」の編集発行人
 である。
第二 被告らの名誉毀損
 一 事実無根の記事の編集・掲載・発行頒布
  被告らは月刊雑誌「噂の真相」二〇〇〇年六月号(平成一二年五月一〇日発売)に
 おいて、左記のような事実無根の虚偽の捏造記事を編集・掲載・発行頒布し、
 公然と原告の名誉を毀損した。
  そして、これらの記事は、原告に対する取材は勿論、何らの取材に基づかないもの
 であり、そうである以上、被告らの誤信が、確実な資料・根拠に照らして相当な理由
 があるということもあり得ない。

   二 記事の内容
 1 七頁の「”ノミの心臓”を震撼させる森喜朗のスキャンダル コネ入学の早大時代
に売春取締条例で検挙歴が!」という見出しの記事
  (1) 本誌の取材に匿名で応じてくれた警視庁OBの説明によると、「早稲田大学在
   学中、森はとんでもないスキャンダルを引き起こしていたにもかかわらず、首相
   となった今日まで、身内にもひた隠しにし続けているのだ。そのスキャンダルと
   はズバリ、今や日本の権力のトップまで登りつめた男が約40年前、なんと売春等
   取締条例(売春防止法の前身)違反で、警視庁に検挙されていたというのである。 」
  (七頁二段目一九行目)
  (2)「その年(昭和33年)の2月17日から18日にかけて、新宿や浅草などの 青線、
  白線業者を一斉摘発し、業者や女、客ら20人近くを検挙したんだが、その中  に、
  当時まだ早稲田の学生だった森、そう今の総理大臣がいたんだよ。」(七頁三
  段目一〇行目)
  (3)「つまりは今でいう売春防止法違反の犯歴を持つ”ハンザイシャ”が、この国
  の最高権力者の椅子に座っているということなのだ。」(七頁三段目一八行目)。
  (4)「その智惠子夫人との仲も、既に20年前の森の下半身スキャンダルによって一
  時崩壊していたというのだ。」(七頁三段目二五行目)。
2 ニ四頁乃至三一頁の「『サメの脳ミソ』と『ノミの心臓』を持つ森喜朗”総理失
 格”の人間性の証明」と題する記事
 (1)「永田町で『オットセイの下半身』と呼ばれるこの新首相は、息子と似たよう
 な過去を持っていたからである。本誌は今回、森の経歴からは完全に抹消された
 その驚くべきスキャンダルを掴んだ。そのスキャンダルとはズバリ、今や日本の
 総理大臣にまで昇りつめた男が過去、なんと売春等取締条例(売春防止法の前身)
 違反で警視庁に検挙されていたというものである。」(二七頁一段目一七行目)。
 「その年〔昭和33年〕の2月17日から18日にかけて、新宿や浅草などの青線、
 白線業者を売春等取締条例違反などで一斉摘発し、業者や女、客ら20人近くを検
 挙したんだが、その客の中に、当時まだ早稲田の学生だった森、そう、今の総理
 大臣がいたんだよ。」(二七頁二段目二四行目)。
 「つまりは今でいう売春防止法違反の犯歴を持つハレンチ事件の主が、この国の
 の総理の椅子に座っているというワケだ。」(二八頁一段目三行目)
 「ハレンチ事件での検挙という恥ずべき過去を持ちながら、『文教族の首領』
 面して、愚にもつかない教育論を、公衆の面前で臆面もなくブチ上げる森の、厚
 顔無知ぶりはさすが、『サメの脳ミソ』と言われるだけのことはある。」(二八頁
 一段目一三行目)。
 (2)「今から二〇年以上も前の話です。福田内閣の官房副長官に抜擢された森セン
 セイは、得意の絶頂でね。地元に帰っては香林坊(金沢市随一の歓楽街)で遊ん
 でいたんですが、そこである水商売の女性と深い仲になり、(中略)一説には先
 生はその女性との間に子供まで作ったといわれており(中略〕この事件を機に、森
 と智惠子夫人は一時、絶縁状態に陥り、2人の間には決定的な溝ができたとい
 う。」〔ニ八頁一段目二二行目)、「『自民党きっての文教族』である代議士の家庭
 が、本人の火遊びによって、20年以上も前に崩壊していたとは驚きである。」(二
 八頁三段目五行目〕。
 (3)『森政権は下半身スキャンダルで崩壊か?』「森は過去、政調会長室にいたT
 という女性に手を付けたことがあったらしいんだ。それを知ったTの親が激怒し
 てトラブルになったことから、一気に話が広まったんだが、結局、森が1干万円
 の慰謝料を払うということで和解したようだ。おまけに森は子飼いのAという党
 職員にTを押し付けてコトを収めたらしいんだが、今でも定期的にAに小遣いをや
 っているという。また数年前にも自民党本部受付にいたIという女の子に手を出
 した。この時はさほどトラブルにはならなかったが、Iは噂が広まったことで党
 を辞めてしまった」(二八頁三段目一二行目)。 
 (4)「とにかく行儀の悪さは折り紙付き。高級クラブに行っても『どんなパンツは
 いてんだ』とスカートの中に手を突っ込み、ナマ足を撫で回した揚げ句、パンツ
 の紐を引っ張るという下品さ。ホステス連中にも『おさわりパブと勘違いしてい
 るんじゃないの』と悪評紛々ですよ。おまけにコレと見込んだ女はしつこく口説
 くときているからタチが悪い。」(二九頁一段目一九行目)。
(5)「『義理の娘で、私設秘書の美樹さんとの親密な関係ですよ…』この関係者の
 言う『美樹さん』とは、前述の森の一人息子、佑喜の夫人である。(二九頁二段目
 二〇行目)、「やはり森センセイと美樹さんさんの関係でしょう。はた目から見て
 も、実の親子以上です。あんまり親しいものだから、昨年の春頃から、永田町で
 よからぬ噂が流れていました」(三〇頁一段目二三行目)、「外遊には智恵夫人
 だけでなく、なぜか秘書の美樹さんも同行していたんです。おまけに森は外遊中、
 プライベートでは智恵夫人よりも美樹さんと一緒にいることが多かったらしく、あ
 まりのベタベタぶりに、2人は出来てるんじゃないか、と同行記者の間で噂に
 なってました」(三〇頁二段目二三行目)
(6)『醜聞塗れ森政権の存続は亡国の危機!』(三〇頁二段目二一行目)、「皇民党
 による竹下登元首相の”ホメ殺し”事件では、東京佐川の渡辺広康元社長の
 検事調書の中で、森が竹下へのホメ殺しを止めさせるよう働きかけたことが明る
 みに出たし、泉井純一からのヤミ献金疑惑でも、泉井自身が国会証人喚問で森に
 1千万円の資金提供をしていたことを明らかにした。が、これらの疑惑において、
 森は時効や職権が絡まないことを理由に、あと一歩のところで逃げ切ったんだ。」
 (三〇頁三段目二一行目)。
(7)「首相就任直後から、森の資金管理団体『春風会』が独禁法に違反していた土
 建会社34社から、3百万円以上の献金を受け取っていたことが発覚。また後援会
 機関紙『春風』による広告料名目での集金システムも明らかになるなど、マスコ
 ミ各社は森の金脈を今、徹底的に洗ってますよ(前出・政治部記者)政策理念
 のカケラも入っていないサメの脳ミソを私利私欲のみに使い、コネと滅私奉公だ
 けで、最高権力者の座に這い上がってきた、吠える声とガタイだけは立派な小心
 者のオットセイ」(三一頁二段目六行目)
3 一五頁の、部屋の中で、裸体の森喜朗氏が、立った状態で、ソファーに座った裸
 体の高市早苗衆議院議員の両肩に手を置き、それを部屋の窓の窓の外から「順子」と注
 釈が付された女性が眺めている画図。
  この画図は、二九頁一段目一三行目の「また何かと浮いた噂の絶えない高市早苗
 は、森のお気に入りで、彼女が森派に入ったときには、2人の関係がひとしきり噂
 されましたね」という記事と相まって、原告が、訴外高市早苗衆議院議員と愛人関
 係にある事実を読者に印象付けており、何らの取材及び証拠も示さずに断定した異
 常な図面であり、公然と虚偽の事実を真実らしく報道するもので、原告に対する名
 誉毀損が成立する。
三 原告の損害
  噂の真相は発行部数二〇万部で、全国の書店で販売されており、それ自体の読者
 は全国で相当多教に上るが、本件記事をきっかけにして、読売新聞、朝日新聞、毎日
 新聞などの大新聞が、朝刊及び夕刊で平成一二年五月一〇日及び一一日に、噂の真相
 に掲載された本体記事を紹介したことから、日本の国民のほとんどが、原告に、前記
 の虚偽の前歴等がある旨の誤った認識を持つに至り、原告の名誉は徹底的に毀損され
 た。
  また、これらの事実は「週刊ポスト」五月二六日号、「週刊現代」五月二七日号に
 関連記事として報道されている。本件『噂の真相』は、原告が内閣総理大臣に就任し
 た平成一二年四月五日の直後の平成一二年五月一〇日に発売されており、一般国民が
 原告の打ち出す政策のみならず、原告の素行などに対しても非常に高い関心を抱いて
 いた時期であることから、本件の悪意による暴言や虚偽の事実の羅列は真実らしさの
 カケラもないもので、総理大臣たる原告を異常に名誉の毀損をするものである。
  したがって、原告の名誉を回復するには、別紙二記載の新聞紙上に別紙一記載の謝
 罪広告を掲載することが必要であり、また、被告らによる本件捏造記事により原告の
 蒙った精神的損害は一〇〇〇万円を下らない。 
  
            第三 結語 
  よって、原告は、被告らに対し、
一 名誉毀損に基づく名誉回復措置として、各自、別紙一記載のとおりの謝罪広告を、
別紙二記載のとおりの方法で掲載すること
二 不法行為に基づく損害賠償として、金一〇〇〇万円を支払うこと
  を請求する。

      証  拠  方  法 
 甲第一号証    被告の商業登記簿謄本
 甲第二号証の一  雑誌「噂の真相」六月号
 甲第二号証の二  月刊「噂の真相」の発行日、編集発行人
 甲第二号証の三  同右七頁
 甲第二号証の四  同右一五頁
 甲第二号証の五  同右二四頁乃至三一頁
 甲第三号証の一  内容証明便
 甲第三号証の二  右配達証明

      附  属  書  類

一  商業登記簿謄本        一通
二  訴訟委任状          一通
三  甲号各証写し        各一通

平成一二年五月一七日

                        原告訴訟代理人弁護士   山 本 栄 則
                  同            辻   千 晶
                  同            朝 倉 隆 顕

                   東京地方裁判所民事部 御中

(別紙一)
           謝 罪 広 告

 我々は、平成一二年五月一〇日発売の噂の真相二〇〇〇年六月号の三頁、一五頁及び二
四頁乃至三一頁において、森喜朗氏が、大学在学中に売春取締条約違反の検挙歴がある旨、
水商売の女性との間で子供をもうけた旨、自民党の女性職員数名と性交渉を持ったことが
ある旨、義理の娘と性交渉を持ったことがある旨、泉井純一氏から一〇〇〇万円のヤミ献
金を受け取っていた旨などの虚偽の捏造記事を掲載し、森喜朗氏の名誉、信用を著しく毀
損したことは誠に申し訳なく、ここに右記事を取り消し、深く謝罪いたします。

平成一二年〇月〇日

            東京都新宿区新宿三丁目九番五号
            株式会社 噂の真相
             右代表者代表取締役   岡 留 安 則
             噂の真相編集兼発行人  岡 留 安 則 

内閣総理大臣 森 喜 朗 殿

(別紙二)

一 読売新聞、朝日新聞及び毎日新聞の各全国版朝刊の第一面に、三段抜き横幅一七セン
チメートルの大きさで、表題の「謝罪広告」は活字三六ポイントの大きさで、末尾の「株
式会社噂の真相」、「右代表者代表取締役岡留安則」及び「編集兼発行人岡留安則」並
びに宛先の「内閣総理大臣森喜朗殿」は活字二七ポイントの大きさで、その余の文字は
活字一八ポイントの大きさで、各一回掲載すること。
二 別紙一の年月日欄は、掲載の日付を記載すること。

*ちなみに森喜朗の代理人弁護士を「全国弁護士大観」より紹介しておきたい。
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