内外タイムス |
「神の国」に続いて今度は「国体」発言で森喜朗首相の知的レベルが再び白日のもとにさらされた。しかし本人は単なる無知なのか、確信犯なのか、いまひとつはっきりしない。確信犯だとすれば一国の総理としては失格であることは明白である。日本の最高権力者というべき首相の本音が戦前の〃天皇中心の神の国〃への回帰願望であり、国家行政に関しても戦前の内務官僚による支配・統制を指向しているとなれば、まさに現行の民主主義を全否定することになるからだ。一介の自民党員の中には、こうしたイデオロギーの復権をもくろむメンバーもいるだろうことは分かる。しかし、沖縄・九州サミットを目前にひかえ、こうした驚くべき時代認識を持つ人物が日本を代表する顔として先進国首脳会議のホスト役をやるとなれば、世界のマスコミに向けて恥の発信になることは確実である。海外のマスコミは記者クラブ制度に支えられた日本の飼いならされたマスコミとは訳が違う。戦前のナチズムを徹底総括し、ナチズムには言論の自由すら与えないという、いささか行き過ぎではないかと思われる反ファシズム指向のドイツのマスコミあたりがどう報じるかも見ものである。 しかし、森喜朗首相は確信犯ではなく、単なる床屋政談好きのオヤジと同類のクチではないかという気もする「神の国」にしても「国体」にしても、「失言ではなく言葉が足りなかっただけ」という、反省なき言い訳も、まさに床屋政談オヤジのレベルに思える。要するに、歴史の研究も勉強もやらずに、人から聞きかじった知識を得意の弁舌で森流にアレンジしてしゃべりているだけではないのか。沖縄に対する「君が代」発言でもよく分かる単なる偏見の男にすぎないのかもしれない。 そう考えれば、石川県の町長の息子だった森喜朗は、六本木のホステス嬢とクスリまでやっていた放とう息子で秘書の祐喜とほぼ同じレベルの人間であることがよく分かる。早大卒→日刊工業新聞という経歴にしても自ら自慢気に披露しているように、コネ入学→コネ入社である。ラグビー選手枠で早大に入学したものの、体をこわして新宿ブラブラ派へ。そのころ売春取締条例で客の1人として逮捕された事実は「噂の真相」がスッ破抜いた通り。教育のプロパーが聞いてあきれるではないか。森喜朗にとって唯一の救いだったのが早大雄弁会で学んだ口八丁手八丁のテクニックと日本型政治屋手法の会得だったのだろう。それだけで永田町を遊泳し、現役首相の突然のアクシデントで首相のイスが転がり込んできた幸運が結局は裏目に出て自ら首相の器ではないことの馬脚をあらわしてしまった−−ということではないのか。しかし、森喜朗を首相の器と勘違いしたのか、それともどうせダミーだから、「ま、この程度でいいか」で選んだのかは定かではないが、自民党密室謀議5人組の罪は大きい。そしてこんな人物を政治家として持ち上げてきた地元後援会や選挙民の民度も各回の衆議院選挙でキチンと問われてしかるべきではないか。(隔週木曜日掲載) |