内外タイムス(00/5/26日付) |
森喜朗がマジにシンキロー(蜃気楼)首相で終わりそうな気配になってきた。6月2日解散、6月25日投票というスケジュールが確定しているだけに、いまさら政権の顔をすげかえる訳にもいかず、自公保の連立政権は厳しい選挙戦を戦わざるを得ない。仮に自公保が衆議院の過半数を占める選挙結果をおさめても森首相の再登板はありえないと見ていいだろう。もはや世論やマスコミの非難を浴びた5人組による森首相誕生の立役者ともいえる野中広務幹事長や青木幹雄官房長官までも森首相に対してはサジを投げているとも伝えられる。 相次ぐ失言・放言で党首討論にも顔を出せず、公的な場での発言に対しては「ペーパーを読め!」。オーストラリアの経済紙に至っては「サメの脳みそ」ならぬ「豆の脳」と形容される始末。しかし、それも森喜朗自身の自業自得、不徳の至すところというほかはない。「噂の真相」がスクープした早大時代の売春等取締条例での検挙歴に続いて「日本は天皇を中心とした神の国」発言、石川県珠洲原発用地買収にかかわった企業5社からの森への献金発覚などまさにスキャンダルの宝庫である。 短命内閣に終わった宇野宗佑首相は芸者との愛人スキャンダルだったが、森喜朗は女性スキャンダルに関しては宇野元首相の一件を教訓にしたのか、この点ではいまのところシッポを出していない。もっとも永田町では「森の女関係は洗えばキリがない」といわれるほどおさかんな〃下半身はオットセイ〃状態だけに、それが致命傷になることはないだろうともいわれている。 とはいえ、最近の世論調査では森内閣の支持率は就任時に比べてほぼ半減。支持しない層は倍増という結巣が出ている。こうなると、森言明を首相の器としてかつぎあげた、野中、青木に加えて村上正邦、亀井静香の密室謀議組の責任も問われてしかるべきだろう。むろん、池田大作の意思があったにせよ「森で了」とした公明党の神崎武法代表しかりである。 そして問題は、この公明党が災いを転じて福となす、という戦略で一歩大きく踏みだしたことだ。自民党の不人気となれば、落選スレスレの公認候補がより増えることになる。 そこが〃鉄の票〃を誇る公明党=創価学会の出番である。自民党にとって創価学会の支援がいかにキーポイントになっているかは、反創価学会の急先鋒である白川勝彦、平沢勝栄議員らに対する野中幹事長らのシメつけでもよく分かる。 この点においては、「仏の国」という強力な宗教観を持つ創価学会の方がしたたかであり、大ヒンシュクを買った森喜朗の「神の国の方がはるかに脆弱だ。 かくて「神の国」を夢想する森喜朗は「仏の国」のキングメーカー池田大作にガッチリとクビ根っこをつかまれるのである。 池田大作の指向性はまぎれもなく全体主義国家である。そして自民党は、小渕の二女、竹下の弟、梶山の長男と神の国の世襲制を模倣する反民主主義指向。 6月25日投票の衆議員選は神と仏の野合に対して、いよいよイエスかノーを決断する時である。少なくとも21世紀へのトバ口であることだけは忘れてはなるまい。 (敬称略) (隔週木曜日掲載) |