(ライブハウス向けフリーペーパー・2000/MAY)
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Tokyo Atom(以下TA)=則定の記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞した時はどういう気持ちでしたか? 岡留(以下0):この賞っていうのは、例えば『週刊ポスト』や『週刊現代』や『週刊新潮』など、うちの雑誌がターゲットとして批判している編集者達がが選ぶわけですから、考え方によっては敵に賞をもらったということですので、まぁ、普通よりも嬉しいって感じですね(笑)。 TA:そういう週刊誌やメインストリームのメディアからは、『噂の真相』は今までどういう風に見られてきたと思いますか? 0:「噂の真相は嘘ばっかり書く」みたいなことを言われてましたけどね。日本のメディアは内部の情報がなかなか出てこないんで、例えば『週刊現代』の裏側でどういうことが行われてるのかというのは、ほとんど活字にならないんですね。そういうのを我々は一貫して活字にしてきましたから。 TA:『噂の真相』はアンダーグラウンドでアウトサイダーな雑誌だと思っていますか? 0:作ってるこちらの気持ちとしては、アンダーグラウンド。雑誌でありながらメディア批判をしていますから、雑誌の仲間でありながらを雑誌を批判するっていう雑誌界のアウトサイダー的雑誌ですよね。でも部数的には今20万部で完全にメジャーなんですよ。『文藝春秋』が一位で、うちが二位なんですよ。マイナーという気持ちで作ってるんだけど、部数はメジャーになったというのがここ2、3年ですね。 TA:『噂の真相』はどういうきっかけで創刊したんですか? 0:まずテレビも新聞も雑誌もすごい情報量が出ますけど、その情報が果たして本当なのかどうか、その情報がどうやって出てきたのか、その舞台裏を書く雑誌がなかった。それと雑誌に対してきちんと批判する雑誌がなかったので、最初はメディア批判を中心にスタートしたんですが、それだけじゃつまんなくなってきて、メディアとはこういうものだと自分達が率先して例を出していくと。新聞も雑誌もできないスクープをやっていくと。この両面でメディアを批判しようと。 TA:創刊は何年ですか? 0:79年。その前に『マスコミ評論』という雑誌の創刊編集長を約4年間やってました。その時はメディア批判だけだったんですが、もう一歩踏み込んでメディアが出来ないことを紙面でやっていこうということで『噂の真相』を創刊したんです。 TA:ジャーナリズムのトレーニングはどこかでされていたんですか? 0:ほとんどしてない。大学を24歳で卒業して、2年間くらいインサイダー情報誌というかマスコミの業界誌で編集をやってました。 TA:学生の頂はベトナム反戦運動とかをされていたんですよね。 0:もちろんしてました。僕は法政大学なんですけど、一番激しかったですね。 TA:今の法政大学を見てどうですか? 0:いやぁ、去年も講演会で法政に行きましたけど、全然雰囲気変わってますね。そういう政治的な動きは全然感じられないし、学生も平和を楽しんでいるという感じがしましたけどね。30年くらい前とは世界が違う感じがしました。 TA:ジャーナリストになりたい今の若い世代に、何か言いたいことはありますか? 0:この仕事は面白い仕事だから、若い人達にもやって欲しいですね。新聞社とか出版社、テレビ局に入ることも一つの方法だし、大学でならミニコミ誌を作って自分達の主張を出していってはどうかと。自己表現というのは基本的に面白いわけですから、僕の言葉で言えば、「一億総ジャーナリスト」。つまり日本にいる一人一人がジャーナリストの気持ちになれば、日本は良くなるだろうと思ってるんですよ。(笑)。 TA:マスメディアの話題を取り上げる時は、どのようにアタックしていくのですか? 0:やはりこちらの批評精神、批評眼ですね。政治もそうだし、権力もそうだし、必ず批判しないとおかしくなるんですよね。元々ジャーナリズムというのは権力批判が原則だったんですけども、だんだん日本の新聞は権力の側にいってしまった。やっぱり原点は権力批判ですね。特に田舎の人は、政治家や文化人、タレントを偉いと思ってる訳ですが、僕はそうと思っていませんから。古いことわざで長いものには巻かれろみたいなところがあって、強い人には弱くっていう体質がありますから。先生に対する感覚もそうですけど、僕は先生が偉いという見方はしないんですよね。戦前はそうだつたんですね。おとうさんは一番偉い、先生も偉い、みんな言うことを聞きなさいというので、ああ言う戦争をしたわけですから、天皇陛下一番偉いっていうことでね。それが違うっていうことにみんな気付いたわけですから、天皇だろうが政治家だろうが、エリートの官僚だろうが、作家だろうが文化人だろうが、みんな批評していく。 TA:自分の命に対する不安はありますか? 0:う一ん、ジャーナリストやってれば、刺されたり、殺されたり、警察にしっぺ返しをくらったりすることが有り得ると思ってるんですよね。怖いからといって遠ざかったら、ジャーナリストは出来ないし、戦争カメラマンは弾がくるから怖いって言ってれば写真は撮れませんからね。ジャーナリストというのは、みんなが知りたいことを代わりにやってるわけですから時には命もかけるつもりじゃないと出来ないと思いますけどね。 TA:そういう考え方を持っているジャーナリストは今日本にいますか? 0:少ないですね(笑)。 TA:なぜでしよう?ジャーナリストはもうジャーナリズムと関係なくなってるんでしょうか? 0:なってますよね。だから大きい新聞とかは、いわゆる発表メディアになっている。政府が企業が発表したことを、まず記事にしている。犯罪でも警視庁が発表したことをそのまま書くわけですからね。だからもう役所の広報PRマンみたいなことだけで事足りて間に合っているというような感じですよね。わざわざ踏み込んで政府とケンカすることもない。「ニューヨークタイムズ」がニクソン大統領のスキャンダルを暴露したみたいなことがジャーナリスムのあるべき姿だと思うんですが、日本はもうそういうの無くなっちゃつたですよね。 TA:今までに刺されたことはありますか? 0:刺されたことはないです。 TA:家族はいますか? 0:家族は持たないです。 TA:奥さんも子供さんもいない? 0:いないです。以前、天皇を批判して右翼が奥さんとお手伝いさんを殺したことがあったんです。僕だって人間ですから、僕だけ刺されるのは全然OKなんですが、子供や奥さんが刺されると恐いから一人で頑張っています(笑)。 TA:編集者でもあるし、発行人でもあるんですよね。 0:そうです。それも大事ですよね。経営者とかオーナーがいたら、オーナーからの圧力もありますからね。だから編集と発行、両方一緒にやってると強いですよね。私さえが頑張ればいいんですから。あと、『噂の真相』は大きい広告がほとんどないですからそれも強いですよね。大きいスポンサーがあったら、スポンサーの圧力にも弱い。電通や博報堂とかからも弱いみたいになってきますから。「週刊ポスト」だって例のユダヤ団体に抗議を受けて、広告が全部無くなると怖いので、すぐ謝っちゃう訳ですよね(笑)。 TA:普通、情報はどのように入ってくるんですか? 0:もちろんコネクションが一番大きいですけど、FAX、電子メール、手紙といろんな情報が集まってきます。ただ『噂の真相』は何でも書くという世間の評価が出てきたんで、いろんなの送ってくるんですよね。例えば「朝日新聞」に送ってもボツだけと、うちに送ってくれればOKという、そういうことがありますから、情報を集めるのは楽ですよね。 TA:でも裏をとるのは難しいですよね。 0:それはやっぱり難しいですよね。だからうちの 場合ちゃんと証明できれば、6、7ページにして、証明できないと短く一行でやって興味のある他のメディアの人やって下さいって感じですね。 TA:明るいニュースを取り上げても、必ず汚い部分やその偽善を暴くような記事を書いていますね。 0:やっぱり作られたイメージが怖いですから。例えば偉いとか、きれい、立派とかっていってだまされる人がいるわけですから、この人はこういう偉いこともあるけれど、こういうこともあるよっていう、いわゆる情報公開ですよね。 TA:この毎号載っているイラストについて聞かせてもらえますか? 0:これは「噂」というタイトルがあるわけですが、例えばこういうカップルの場合は写真を撮るのがべストですね。でも写真が撮れない、けど二人が交際してるのは分かる、という時には記事にしちゃうと名誉毀損になりますよね。だからその中間で、似顔絵を載せる。でも似顔絵ですから文句言って来ても、「知りません。似てますねぇ」って逃げるという。ゲリラ的というかずるいというか。 TA:毎月載せてますよね? 0:これが一番大変ですね。でっち上げは出来ませんから、なんか交際してないとまずいので。 TA:ジャニーズのネタが好きなようですね。 0:好きと言うより、あそこはタブーだからですよね。今までジャニース事務所のことを書いてたのは「東スポ」とうちぐらいで、最近では「週刊文春」。ジャニースは力がありますから、テレビ局はもう全然ダメだし、雑誌もKinki kidsとかの表紙が欲しいからケンカできないんですよね。ジャニーズだけじゃなくてバーニングプロダクションもタブーですね。天皇もタブーだけど芸能プロダクションもタブーという、タブーだらけの国だから(笑)。 TA:最近もジャニーズのネタ探してますか? 0:探してますよ。 TA:何か最近ネタありましたか? 0:いやぁ、今仕入れてる最中です。 構成:マーク・ロビンソン *取材、執筆はオ−ストラリア人の記者。思ったよりきちんと日本語を解してカンシンさせられたが、やはり一部には誤認・誤植もあったので修正の上無断掲載させてもらいました。悪しからず(笑)。 |