『メンズウォ−カー』 (1999年10月26日号)
特集「新聞なんていらない!」 “権力チェックを放棄した新聞に何の説得力もない” 岡留安則『噂の真相』編集長
「新聞なんていらない」なんて、さすが元『週刊文春』というゲリラ雑誌の編集長をつとめたこともある花田編集長らしい企画だね。同じくゲリラ雑誌を標榜する『噂の真相』もそこまでは言わないし、ジャーナリズムとしての側面から見れば存在価値がほとんどない新聞だけど、こちらも新聞批判を売りにしている以上、新聞がなくなっちゃうとメシのタネを失なっちゃう。痛し痒しだね(笑)。
とはいっても正直な話、メディア批判を編集方針の柱としている『噂の真相』の編集長
という立場を離れれば、新聞がなくてもノープロブレム。実際、自宅では新聞をとっていない。独身で自宅にはほとんど帰らないという事情もあるけどね(笑)。
仕事柄、会社では朝、毎、読、産経、日経、東京の他、スポーツ紙、夕刊紙、赤旗まで宅配してもらっているけど、一週間くらい海外出張でもしようものなら、40センチくらいのヤマになっている。全部に目を通したら一日がかりになっちゃうから、間引きして何紙か読むだけ。後日、海外出張中に見すごしただいじな記事があった場合には後でチェックすればいいと思って、その月の〆切り終了まで処分はしない。だけどほとんど見返すことなんてないもんね。
だいたい、いまの新聞記事はほとんどがいわゆる発表もので埋められているから、新聞
同士を読み比べてもたいした差異はない。産経と赤旗は確かに違うけどね(笑)。ジャーナリズムのもっとも重要な機能は権力チェックのはずだけと、新聞はそれを放棄している。東京地検や警察庁の広報記事(犯罪報道)には大々的に紙面を割くけど、東京地検や警察庁じたいのスキャンダルや不祥事は追跡する現場のフンイキも気概もまったくないからね。神奈川県警の一連の不祥事だって、内部告発と“皆でわたればこわくない”がたまたま合致した結果であって、徹底した検察・警察の腐敗体質を一掃するようなキャンペーンなんて望むべくもないしね。
これは霞が関の他の官庁や政治家、大企業に対しても似たりよったり。なにせ、政・官・財・マスコミの四大権力の一員として体制にガッチリと組み込まれているのだから、
権力批判なんて、天にツバするようなもんだろうからね。
速報性や分りやすさでいえばテレビに完全に負けているし、事件の堀り下げや権力チェ
ックという意味では週刊誌にかなわない。いま再販制と宅配制をとっぱらってしまえば、
新聞は確実に無用の長物と化すんじゃないかな。世界一の発行部数なんて威張ったって、洗剤やビール券欲しさの客や、朝起きたらまず新聞を読むという習慣に支えられているだけ。違うというなら、実際に海外の新聞のように駅の売店や即売スタンドだけで売ってみ
ればいい。一千万部が百万部、いやそれ以下の部数に落ちることは確実じゃないかな。
ジャーナリズムの批判は相互批判精神を理解していなければホンモノでないと思ってい
るけど、いまの新聞社の経営陣の体質では、問題企業や悪徳官庁を批判しても説得力が果
してあるのかどうか。いますぐとはいわないが、いずれ「新聞はいらない」。これ、時代の趨勢だと思うけどね。
おかとめ・やすのり 47年生まれ、51歳
月刊誌『噂の真相』の編集長兼発行人
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